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過去の大気圏核実験時との比較

 投稿者:大学教員  投稿日:2012年 2月 9日(木)19時41分28秒
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  過去の大気圏核実験時代に出荷されていた食物の汚染レベルをセシウム137で概観してみる。

粉乳について述べると、1963年のサンプル数は6つしかなく、特異的に高い値(346.69)を除けば、平均は64.6Bq/kg。1963―1964年で、北海道を中心として約60Bqの汚染で、1965年は約50Bqの汚染といえる。しかし、1966年以降、経年で急激に汚染レベルは低下している。

粉乳:単位Bq/kg(乾燥)[Cs137のみ]
1963年 平均 111.4687 分散 15405.49 [範囲19.055-346.69] N=6
1964年 平均 62.99 分散 4782   [範囲11.39-322] N=27
1965年 平均 50.38167 分散 4820 [範囲13.024-233.84] N=9
1966年 平均 10.12 分散 38.61 [範囲2.25-23.68 ] N=22
1967年 平均 5.19 分散 9.91 [範囲1.8-12.87 ] N=14
1968年 平均 2.43 分散 0.308 [範囲1.33-3.367 ] N=24

 他方、生乳については、最も値が高い1963年でも4.82なので、2011年度はCs137単独で5Bq/リットル以上汚染された牛乳は飲んではいけなかった。さらに2012年度は3Bq/リットル以上汚染されたものは飲んではいけない。それが過去の大気圏核実験時代の汚染程度を上限とした場合の安全基準だ。2013年度は、1.5Bq/リットルにすべき。大気圏核実験時代には、セシウム134も常時降下していたので、セシウム134,137合計で考えるなら単純に2倍した値が安全基準だといえよう(Cs134,137は1対1で生成される)。

生乳:単位Bq/リットル(生)[Cs137のみ]
1961 検出されず N=6
1962 検出されず N=36
1963 4.82 6.96 N=120 ←この年だけ値が高い
1964 2.93 2.88 N=162 ←2012年度はこの値を上限値とすべき
1965 1.54 0.72 N=114 ←2013年度はこの値を上限値とすべき

 牛乳は乾燥させると濃縮されて汚染レベルが上昇する。ちなみにストロンチウムについては、生乳/粉乳ともに大気圏核実験時代の方が汚染はひどい。海産物については、1960年代平均で数Bq/kgだ。海産物の汚染がひどい。1000Bq/kgを超えるような海産物が検出される事態は未曾有の事態。日本人は、大気圏核実験時代に汚染牛乳を飲んでいても、海産物からカリウム・カルシウムを摂取することで、汚染牛乳中に含まれるセシウム・ストロンチウムを中和してきたのだろう。
 穀物(小麦・米)についても上限値が数ベクレル。こうしてみると、乳製品だけ汚染レベルが他の食品と比べてひどいということになる。牛肉も危ない。なお、お茶は大気圏核実験時代でも90Bq/kg程度の汚染は見られる(お茶は蓄積しやすい)。しかし、500Bq/kgを超えるようなものは出回っていない。各自、「環境放射線データベース」で計算してみれば分かる。

環境放射線データベース
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/top.jsp

大気圏核実験時代の食品汚染レベルを上限値とするならば、東日本で農業・漁業・畜産業を止めなければならない。それが、過去のデータから言える厳しい結論だ。
東日本の人間は、西日本と北海道から食糧を送ってもらうしかない。大気圏核実験時代よりもひどく汚染された食物を食べることは、ロシアンルーレット。バンダフェフスキー先生が指摘しているような事態になろう。つまり、心筋梗塞の嵐。
 
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